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個人年金保険の解約リスクと年金を残すための3つの方法

公開日:2026-09-19更新日:2026-09-19
個人年金保険の解約リスクと年金を残すための3つの方法

個人年金保険を解約したら損をするのか、解約返戻金に税金はかかるのか。解約した場合の解約返戻金の考え方や、解約せずに保険料負担を軽減できる3つの方法を解説します。

個人年金保険を解約したら損をしてしまうのか、解約返戻金に税金がかかるのか。保険を解約する前には、いろいろと不安なことがあると思います。

個人年金保険は貯蓄タイプの保険なので、解約すると解約返戻金が戻ってきます。しかし、一般的には解約返戻金の額が支払った保険料の額よりも少なくなることが多く、保険料の支払いがつらいからといって簡単に解約してしまうのはおすすめできません。もし解約したいというときには、解約するリスクはどの程度か、解約と継続のどちらがメリットが大きいかを十分に検討してから判断することが大切です。

この記事では、個人年金保険を解約した場合の解約返戻金の考え方や、解約せずに保険料支払いの負担を軽減するための方法についてわかりやすく説明します。

個人年金保険を解約するとどうなる

老後の生活資金に備えるために個人年金保険に加入して月々保険料を支払っているものの、保険料の支払いが苦しくなったり、まとまったお金が必要になったりして解約を考えている人もいるでしょう。ここでは、個人年金保険を途中で解約した場合の解約返戻金について説明します。

解約すると解約返戻金を受け取れる

個人年金保険は、将来、年金を受け取るためにお金を貯めていくタイプの保険なので、保険料払込期間の途中で解約すると、それまでに積み立てられていたお金の一定割合を解約返戻金として受け取ることができます。なお、解約するとその時点で契約はなくなるため、将来年金を受け取ることはできません。

解約返戻金は支払った保険料より多いか少ないか

気になるのは、解約返戻金がそれまでに支払った保険料の総額よりも多いか少ないかということでしょう。保険料払込期間終了間近であれば、支払った保険料よりも多くの解約返戻金が戻ってくることもありますが、基本的には支払った保険料よりも少ない額になると考えてください。貯蓄という見方をすると、元本割れになる場合が多いということです。

支払った保険料総額に対して解約返戻金がいくら戻ってくるかの割合を「返戻率」といい、返戻率が100%を超えるとお金が増えて戻ってくる、100%未満だとお金が減るという意味になります。この返戻率により、解約時の損得を見極めることができます。とくに加入後2〜3年以内の短期間での解約は返戻率が著しく低くなるため注意が必要です。加入プランによりますが、加入後の年数が長くなるほど返戻率は上がっていき、契約内容によっては払込期間終了間際で100%前後になることもあります。

この表のように、加入直後は大きく元本割れをしてしまう点には注意が必要です。

経過年数の目安返戻率のおおまかな傾向
加入後2〜3年以内もっとも大きく元本割れしやすい時期
加入後10年前後元本割れ幅は縮小するが、まだ払込保険料を下回ることが多い
払込期間終了間際商品によっては払込保険料に近づく、または上回ることもある

※返戻率は保険会社・商品・加入年齢・払込方法などによって大きく異なるため、あくまで一般的な傾向です。具体的な数値は契約時に受け取る設計書等でご確認ください。

金額(イメージ)100%程度上回る場合も元本割れが最大元本割れ幅は縮小払込保険料に近づく契約加入後2〜3年加入後10年前後払込期間終了間際経過年数 →払込保険料累計(目安)解約返戻金の推移(イメージ)払込保険料を上回るケースの例(商品による)

解約返戻金(返戻率)の推移イメージ ※実際の返戻率は保険会社・商品・加入年齢・払込方法などにより異なります

解約返戻金には税金がかかる場合がある

個人年金保険を解約して解約返戻金を受け取ったときには、税金がかかる場合があります。

解約による利益にかかる所得税

通常、保険料負担者と解約返戻金受取人は同一だと思いますが、この場合に解約返戻金で利益が出ると(返戻率が100%を超えると)、その利益には所得税がかかります。この所得税のかかり方には、年金の種類や解約までの年数により2種類があります。

ケース課税方法
確定年金を5年以内に解約したとき源泉分離課税(20%)
上記以外一時所得として総合課税

契約した時点で受け取れる年金額が決まっている確定年金を5年以内に解約した場合、解約返戻金に利益が出るとその利益の20%が源泉徴収されます。ただし、月々保険料を支払っていく個人年金保険であれば、5年以内に解約して利益が出ることはほとんどなく、結局は税金はかかりません。このケースに該当するのは、契約時に保険料を全額支払う一時払個人年金保険の解約の場合と考えられます。

次に一時所得になるケースですが、一時所得には50万円までの特別控除があるため、個人年金保険の解約返戻金以外に一時所得がない場合は、解約返戻金の利益が50万円以内であれば非課税となります。個人年金保険の解約返戻金が100%を超えるケースはごく一部で、しかも利益はわずかであることが多いため、一般的な契約内容で他の一時所得がなければ、解約返戻金に所得税がかかることはまずありません。

受取人によっては贈与税がかかる

イレギュラーなケースとして、個人年金保険の保険料負担者と解約返戻金の受取人が別人になっている場合は、受け取った解約返戻金に贈与税がかかります。この場合、解約返戻金の全額が贈与の額(利益の額)ということになり、課税の対象となります。贈与税は、他の贈与も含めて1年間に受けた贈与の額の合計が110万円までは非課税ですが、それを超えると超えた額が課税対象となります(2026年9月時点の税制に基づく)。

損をしないためにはできるだけ解約を避けるべき

前章でみたように、個人年金保険を解約すると、多くのケースで元本割れをしてしまいます。個人年金保険は、もともと貯蓄として加入しているわけですから、元本割れで損をしてしまうのは得策ではありません。

もし、他にもっとよい貯蓄方法があって、解約して損をしてもよいのでとにかく個人年金保険をやめて、そのお金を別の貯蓄に回したいといった理由があるのなら別ですが、そうでなければ個人年金保険はできるだけ解約しないほうがよい保険といえるでしょう。なんとなく個人年金保険の貯蓄性がよくなさそうというくらいの理由であれば、途中でやめて損をするほうがもったいないケースも多いです。保険料の支払いが苦しい、あるいはまとまったお金が必要という理由であれば、次章で紹介する方法を参考にしてみてください。

保険料の支払いが大変なときやお金が必要なときでも年金を残せる3つの方法

保険料の支払いが苦しくなってきた、まとまったお金が必要で多少損をしても解約返戻金がほしい、といった理由で個人年金保険の解約を考えている場合は、保険を継続させて年金を残すために以下の3つの方法が使える場合があります。

1. 自動振替貸付で保険料の支払いを一時的に止める

保険には、保険料が払い込まれなかった場合に、保険会社がその保険の解約返戻金の範囲内で保険料を自動的に立て替えてくれる「自動振替貸付」という制度があります。通常は個人年金保険にもこの自動振替貸付がついているため、一時的に保険料の支払いが苦しいというだけであれば、しばらく保険料の払い込みを止めてこの制度を利用してしのぐという方法がとれます。

ただし、この制度を利用した貸付金には利息がかかりますし、貸付額がその時点の解約返戻金額を上回るような場合には保険が失効または解除されるので注意が必要です。また、自動振替貸付がついていない保険の場合は、保険料払込猶予期間が過ぎると保険が失効または解除されてしまうため、利用したい場合は事前に制度の有無と解約返戻金がどの程度貯まっているのかを確認しておく必要があります。

2. 払済保険で保険料の支払いをやめて保険(一部)を残す

保険料の支払いが一時的に苦しいというだけでなく、この先もずっと支払えそうにないというときには、「払済保険」にすることで、保険料の支払いをやめて、それまでに支払った保険料の額に応じた年金を将来受け取ることができます。

払済保険に変更すると、それ以降の保険料の支払いはなくなり、変更した時点までの解約返戻金をもとに計算された、より少ない年金額を将来受け取る形になります。契約時期や商品によっては、払済に変更したことで将来受け取る年金の返戻率が、そのまま解約した場合の返戻率を上回るケースもあります。保険料の支払いをやめても、将来、額は少なくても年金が受け取れ、元本割れを防げる可能性があるのが払済保険のメリットです。

ただし、個人年金保険料控除を受けられる税制適格の個人年金保険は、一定の年数が経ってからでなければ払済保険にすることができない場合があるので注意が必要です。払済保険への変更が可能かどうか、変更後の年金額がいくらになるかは、契約している保険会社に確認しましょう。

3. 契約者貸付でお金を借りる

保険には、その時点の解約返戻金の一定割合の範囲内で、契約者が生命保険会社からお金を借りることができる「契約者貸付」があります。通常は個人年金保険にもこの契約者貸付がついているため、もしまとまったお金が必要で解約したいという場合には、解約せずに保険会社からお金を借りて保険契約を残すことができます。

借りたお金には利息がかかりますが、返済は一括でも分割でもいつでもよいため、この契約者貸付を上手に活用すれば、必要なお金を融通できたうえに将来の年金も維持することが可能です。

まとめ:個人年金保険は、できれば解約せずに続けたほうがよい

個人年金保険に加入していても、何らかの理由で解約しなければならないということがあるでしょう。しかし、個人年金保険を途中で解約すると、多くの場合で元本割れをして損をしてしまいます。

個人年金保険は、もともと老後資金を蓄えるために加入した保険なので、できれば解約して損をするよりも年金を維持することを考えたいところです。ここで紹介した自動振替貸付、契約者貸付、払済保険という方法を上手に使えば、元本割れを防ぎ、保険料を無駄にすることを避けられる可能性があります。ただし、自動振替貸付、契約者貸付はお金を借りる制度であり、場合によっては保険の失効や解除にもつながる制度なので、その点は十分に注意してください。

個人年金保険の税金にかかわる詳しい内容は、個人年金保険にかかる税金の基本と最もトクする受取方法もあわせてご参照ください。

※本記事は編集部が作成した一般的な参考情報です。特定の商品・保険会社を推奨するものではなく、断定的な提案でもありません。実際の要否は、各代理店の窓口で保険募集人にご確認ください。統計・制度に関する数値は今後変更される可能性があるため、最新の情報をあわせてご確認ください。

執筆

ほけんスコア編集部

Googleの公開データをもとに保険の窓口を客観的に比較・解説する、ほけんスコアの編集チームです。

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