3分でわかる!低解約返戻金型終身保険の基本と4つの活用法
低解約返戻金型終身保険のしくみと特徴、死後の整理資金・相続・老後資金・教育資金への活用法を、学資保険との比較を交えて解説します。
低解約返戻金型終身保険とは、通常の終身保険よりも貯蓄性が高く、老後資金の準備や学資保険代わりの教育資金準備にも活用できる保険です。一生涯の死亡保障を確保する目的で加入する場合も、通常の終身保険より保険料が割安になります。
ただし、保険料払込期間中に解約した場合は、通常の終身保険よりも解約返戻金が少なくなり、大きく元本割れする可能性があるため注意が必要です。ここでは、低解約返戻金型終身保険の基本的なしくみや特徴、活用方法をわかりやすく説明します。あわせて、教育資金の準備方法や学資保険との違いについても解説します。
1. 通常の終身保険より貯蓄性が高い低解約返戻金型終身保険
低解約返戻金型終身保険は、保険料払込期間中の解約返戻金の額を通常の終身保険よりも低く抑える代わりに、保険料を割安にした保険です。保険料払込が終了すると、それ以降の解約返戻金は通常の終身保険と同じ水準に戻ります。保障内容そのものは、通常の終身保険と同じです(終身保険の基本的なしくみについては「終身保険とは?|その特徴と確認すべき3つのポイント」もあわせてご覧ください)。
1-1. 貯蓄性が高い理由
低解約返戻金型終身保険の貯蓄性が高いといわれるのは、保険料払込期間が終了した後についての話です。保険料払込期間後の解約返戻金の額は通常の終身保険と同じである一方、保険料の総額は通常の終身保険より少なくなるため、支払った保険料の総額に対する解約返戻金の割合(返戻率)が高くなります。これが貯蓄性が高いといわれる理由です。逆に、保険料払込期間中は解約返戻金が抑えられているため、この間の貯蓄性は低くなります。
1-2. 低解約返戻金型終身保険の特徴
低解約返戻金型終身保険には、通常の終身保険と比べて以下のような特徴があります。
- 保険料が安い
- 保険料払込終了後は貯蓄性が高い
- 保険料払込期間中は解約返戻金が少ない
保険料払込期間中に解約すると、支払った保険料よりも少額の解約返戻金しか戻ってこないため、十分な注意が必要です。
2. 低解約返戻金型終身保険の4つの活用法
低解約返戻金型終身保険の特徴を生かすと、主に以下のような活用法が考えられます。
2-1. 死後の整理資金の準備
葬儀代やお墓代などを残すために加入するのは終身保険の基本的な使い方の一つですが、低解約返戻金型終身保険は保険料が割安なため、こうした目的にも適しているといえます。
2-2. 相続対策
終身保険を活用すると、自分の死後に特定の人へお金を残すことができます。保険料が割安な低解約返戻金型終身保険は、このような活用法にも適しているといえます。
2-3. 老後資金の準備
終身保険は60歳や65歳までに保険料の払込を終える加入の仕方が一般的で、それ以降は解約返戻金の返戻率が100%を超えるように設計されることが多いため、老後資金の準備にも活用できます。保険料払込期間終了後の返戻率がより高くなりやすい低解約返戻金型終身保険は、老後資金準備にも適した選択肢の一つです。
2-4. 教育資金の準備
保険料払込期間を10〜15年程度の短期間にして、子どもが大学に入学する前に払込を終えておくと、大学入学資金を準備することができます。返戻率のよい低解約返戻金型終身保険は、学資保険代わりに活用することもできます。具体的な活用例は、後述の「4.学資保険代わりに教育資金を貯める方法」で紹介します。
3. 貯蓄のために加入する場合のチェックポイント
老後資金や教育資金を準備する目的で低解約返戻金型終身保険に加入する場合は、お金が必要になるタイミングまでに目標金額をきちんと貯められるかどうかが重要です。保険を設計する際は、以下のポイントを確認しておきましょう。
3-1. 何年で保険料払込を終了するか
解約返戻金の返戻率を100%以上にするには、お金が必要になるときよりも前に保険料の払込を終えておく必要があります。払込期間を短くするほど返戻率は高くなりますが、1回あたりの保険料は大きくなります。払込がつらくなって途中で解約すると元本割れとなってしまうため、保険料負担とのバランスを考えて設計することが大切です。
3-2. 返戻率は何%か
低解約返戻金型終身保険をお金が必要なタイミングで解約した場合に、受け取る解約返戻金の返戻率が何%になるかを、加入前にしっかり確認しておくことが大切です。返戻率が100%を超えていることを前提に、他の保険や金融商品とも比較しながら、より貯蓄性が高いものを選ぶようにしましょう。
4. 学資保険代わりに教育資金を貯める方法
低解約返戻金型終身保険はさまざまな資金の準備に活用できますが、ここでは学資保険代わりに教育資金を貯めるプラン例を紹介します。
4-1. 大学入学資金を貯めるためのプラン例
以下は、子どもの誕生をきっかけに、将来の大学進学資金として200万円程度を貯めたいと考えたケースの設計例です。数値はあくまで一例であり、実際の返戻率は保険会社や契約時期、金利環境によって異なります。
低解約返戻金型終身保険の加入例
- 契約者:30歳男性(長男は0歳)
- 保険金額:300万円
- 保険料払込期間:15年
- 月額保険料:10,209円
| 経過年数 | 払込保険料累計(a) | 解約返戻金額(b) | 返戻率(b÷a×100) |
|---|---|---|---|
| 15年後 | 1,837,620円 | 1,922,160円 | 104.6% |
| 18年後 | 1,837,620円 | 1,988,610円 | 108.2% |
| 30年後 | 1,837,620円 | 2,269,713円 | 123.5% |
保険料を15年で払い終えているため、子どもが大学に入学する18歳の時点で解約返戻金が100%を超えるように設計されています。このケースでは、18歳の時点で約198万円を貯めることができ、解約すれば大学進学資金に充てられます。解約返戻金は、支払った保険料に対して+8.2%の額になります。
4-2. 学資保険との比較
同じ条件で学資保険に加入し、同じような金額を貯められるプランと比較してみます。
学資保険の加入例
- 加入者:30歳男性
- 被保険者:長男0歳
- 受取総額:180万円(高校入学時30万円、大学入学時60万円、大学2〜3年時に毎年30万円)
- 保険料払込期間:18年
- 月額保険料:7,914円
| 経過年数 | 払込保険料累計(a) | 受取額(b) | 返戻率(b÷a×100) |
|---|---|---|---|
| 18年後 | 1,709,424円 | 1,800,000円 | 105.2% |
保険料払込期間や教育資金の受け取り方が異なるため単純比較はできませんが、低解約返戻金型終身保険の返戻率108.2%は、学資保険と比べても遜色なく活用できる水準といえます。
低解約返戻金型終身保険 返戻推移(本文4-1の実データ) ※契約者30歳男性(長男0歳)、保険金300万円、保険料払込期間15年、月額保険料10,209円の設計例にもとづく実際の数値です。縦軸は182万円を起点に表示しています。契約〜15年後(払込期間中)の解約返戻金額は本文に記載がないため図示していません
4-3. 学資保険と比べたメリット・デメリット
低解約返戻金型終身保険を学資保険と比べた場合のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
- 加入条件によっては学資保険より返戻率が高くなることがある
- 子どもが学資保険に入れない年齢になってからも加入できる可能性がある(その分、保険料払込期間は短くなり月額保険料は上がる)
- 保険料払込期間中に契約者が万一死亡した場合は死亡保険金を受け取れる
- 教育資金が不要になった場合でも、継続して貯蓄を続けられる
デメリット
- 加入条件によっては返戻率が低くなる
- 契約者の健康状態によっては加入できない場合がある
4-4. 低解約返戻金型終身保険を学資保険代わりに使うときの注意点
低解約返戻金型終身保険を学資保険代わりに使う場合、設計プランによって解約返戻金の返戻率は変わってきます。加入を検討する際は、条件を変えた複数のプランを比較しながら検討するとよいでしょう。加入相談は、丁寧に複数のプランを提案してくれる窓口に依頼することも大切です。チェックポイントは、基本的に「3.貯蓄のために加入する場合のチェックポイント」と同様です。
5. まとめ:設計次第でいろいろ使える終身保険
低解約返戻金型終身保険は、通常の終身保険よりも保険料が割安になるため、死亡保障が目的でも貯蓄が目的でも活用しやすい保険です。終身の死亡保障やまとまったお金を貯める必要があるときには、検討してみる価値があります。ただし、保険料払込期間中に解約するとデメリットが大きくなる点には注意しましょう。
低解約返戻金型終身保険の主な活用法
- 死後の整理資金の準備
- 相続対策
- 老後資金の準備
- 教育資金の準備
なお、低金利環境が続く局面では、低解約返戻金型終身保険を含む円建て保険全般の貯蓄性が下がり、保険会社が予定利率の比較的高い外貨建て終身保険の販売に力を入れる動きがみられることもあります。ただし外貨建て保険は、為替変動によって受取額が増減するリスク商品です。加入を検討する場合は、しくみやリスクをよく理解した上で判断しましょう(「外貨建て保険のメリット・デメリットと加入時の3つの注意点」もあわせてご覧ください)。
※本記事は編集部が作成した一般的な参考情報です。特定の商品・保険会社を推奨するものではなく、断定的な提案でもありません。実際の要否は、各代理店の窓口で保険募集人にご確認ください。統計・制度に関する数値は今後変更される可能性があるため、最新の情報をあわせてご確認ください。
ほけんスコア編集部
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