遺族年金は非課税!|さらに税金や社会保険料を安くする3つ方法
遺族年金は非課税ですが、扶養に入れるかどうかなど迷う場面も。非課税の範囲を整理したうえで、税金や社会保険料を抑えられる3つの制度をわかりやすく解説します。
遺族年金は非課税となり、税金はかかりません。すでにご存じの方も多いかもしれませんが、ほかに所得があった場合や、遺族年金を受けながら家族の扶養に入れるかどうかなど、疑問に思うこともあるのではないでしょうか。
また、遺族年金が非課税であったとしても、限られた収入のなかで生活を送るには、税金・社会保険料も含めてできるだけ出費はおさえたいものです。
ここでは、そうした方が知っておきたい情報をわかりやすくまとめました。まず遺族年金が非課税であることを整理したうえで、税金や社会保険料を安くできる3つの方法を紹介します。利用しないと損な制度もあるので、ぜひ参考にしてください。
1. 遺族年金は非課税!
国民年金や厚生年金の遺族年金は非課税なので、そこから税金が引かれたり、別途支払ったりする必要はありません。
1-1. いわゆる遺族年金には税金が一切かからない
公的年金である国民年金・厚生年金から支給される遺族年金には、相続税も所得税もかかりません。国税庁のウェブサイトにも、国民年金法・厚生年金保険法などにもとづいて遺族に支給される遺族年金・遺族恩給には所得税・相続税がかからない旨が説明されています。
一般的な国民年金・厚生年金から支給され、この非課税に該当するのは以下の年金等です。
所得税・相続税とも非課税
- 遺族基礎年金
- 寡婦年金
- 死亡一時金
- 遺族厚生年金(中高齢寡婦加算等の加算を含む)
1-2. その他の遺族年金も所得税が非課税になるものがある
国民年金・厚生年金の遺族年金以外にも、下記の年金等を遺族が受け取る場合は相続税はかかりますが、所得税はかかりません。
所得税が非課税
- 確定給付企業年金から遺族に支給される年金
- 特定退職金共済団体が行う退職金共済から遺族に支給される年金
1-3. 非課税だとわかっていても迷いやすい4つのケース
遺族年金は非課税だとわかっていても、「こんなときはどう考えればいいの?」と迷ってしまうことがあります。ここでは、そうした疑問が生じやすい4つのケースを解説します。
(1) 非課税となる金額に上限はない
遺族年金には非課税の枠(上限)が設定されていません。支給される金額のすべてが非課税になります。
(2) ほかの年金も受けているときでも遺族年金は非課税
たとえば、遺族厚生年金を受けている人が高齢になり、自分の老齢年金とあわせて遺族厚生年金も受けるケースがあります。このようなときでも、老齢年金は所得税の対象となりますが、遺族厚生年金の部分には税金はかかりません。
(3) 働いて収入があっても遺族年金は非課税
遺族年金を受け取っていてもそれだけでは足りず、働いて給与を得ているという場合もあるでしょう。そうした場合でも遺族年金は非課税で、所得税の課税対象となるのは遺族年金以外の所得のみです。
(4) 確定申告は不要
遺族年金は非課税なので、遺族年金だけで他に所得がなければ確定申告は必要ありません。その他の所得があり確定申告が必要な場合でも、遺族年金の部分については申告する必要はありません。
以上のように、遺族年金への課税について疑問を感じる場面もあるかもしれませんが、基本的に税金がかかることはないので安心してよいでしょう。
2. 遺族年金を受けている人が知っておきたい3つの制度
遺族年金を受けている場合、非課税であること以外にも、知っておくと役立つ制度がいくつかあります。
2-1. 遺族年金を受けていても、他の家族の扶養に入れる
遺族年金を受け取っている人も、生計を一にしている他の家族の扶養親族(所得税法上の控除対象)になることができます。扶養親族になるには一定の所得要件がありますが、遺族年金はこの所得要件の判定には含まれないため、遺族年金以外に所得がなければ、受給額にかかわらずこの条件を満たせます(扶養親族の所得要件は近年の税制改正で見直されています。最新の金額は国税庁のウェブサイト等でご確認ください)。
他の家族の扶養に入ると、扶養控除によりその家族の所得税・住民税が軽くなるため、世帯としてのメリットがあります。一般の扶養親族の控除額は所得税で38万円、住民税で33万円のため、目安として、平均的な所得の会社員の家族の扶養に入れば、その家族は所得税と住民税をあわせて7万円程度安くなる計算になります(復興特別所得税は考慮していません)。
なお、遺族年金以外に所得がある場合は、遺族年金を除いたその他の所得が一定額以下でなければ扶養親族になれません。要件の詳細は国税庁のウェブサイト等でご確認ください。
2-2. 遺族年金を受けていても、他の家族の健康保険の被扶養者になれる
遺族年金を受け取っている人でも、他の家族に生計を維持されている場合は、その家族が加入している健康保険や共済組合の被扶養者になれます。被扶養者になれば、遺族年金を受けている人自身が健康保険料を負担する必要はありません。
ただし被扶養者になるには収入要件があり、遺族年金を受け取っている人の年間収入(遺族年金も含む)が130万円(60歳以上等は180万円)未満で、かつ被保険者の収入の2分の1未満でなければなりません。健康保険や共済組合の場合は、税金の扶養控除と異なり、収入要件に遺族年金の額も含まれる点に注意が必要です。
なお、他の家族に生計を維持されていても、その家族が国民健康保険に加入している場合は被扶養者というしくみ自体がなく、国民健康保険料の計算において遺族年金を受け取っている人の分の保険料も必要になります。
2-3. 「マル優」や「特別マル優」が使える
一定の遺族年金を受けている人は、マル優や特別マル優を利用できます。
マル優とは、元本350万円までの預貯金の利子が非課税になる制度です。特別マル優とは、額面350万円までの国債・地方債の利子が非課税になる制度です。通常、預金や債券の利子には約20%の税金がかかりますが、これらの制度を使えば非課税になります。
マル優・特別マル優を利用できるのは、以下の遺族年金を受けている人です。
マル優・特別マル優の対象となる遺族年金受給者
- 遺族基礎年金を受けている人
- 寡婦年金を受けている人
利用する場合は金融機関への申請が必要となるため、詳しくは金融機関の窓口等でご確認ください。
3. 今後の生活のための保険の考え方
遺族年金を受け取っているということは、家計を支えていた方を亡くした状況にあると考えられます。今後の生活における経済的なリスクに備える考え方を、ケース別に簡単に紹介します。
3-1. 小さな子どもがいるひとり親の方
まだ小さい子どもがいるひとり親の場合、万一自分自身も亡くなってしまうと、子どもだけが残されることになりかねません。そうしたリスクに備えるには、自分自身の生命保険が選択肢になります。日々の生活だけで大変な場合、保険料の負担は悩ましいところですが、少しでも捻出できるのであれば、収入保障保険のような比較的割安に死亡保障を得られるタイプの保険も検討の余地があります。
3-2. 扶養する子どもがいない方
子どもがいない方や、子どもがすでに独立している方など扶養家族がいない場合は、生命保険の優先度はそれほど高くありません。むしろ自分自身の老後資金など、将来のための貯蓄を考えるとよいでしょう。貯蓄の手段として保険を活用する場合は、個人年金保険や終身保険など、貯蓄性のある商品が選択肢になります。
3-3. すでに老齢年金を受給している方
すでに自分自身の老齢年金を受給している方の場合は、老齢年金・遺族年金の受給額や現在の貯蓄などから、今後の生活を無理なく送れるかを考える必要があります。生活が苦しいときは、節約をしたり、社会保障や自治体の補助制度で活用できるものがないか確認してみるとよいでしょう。まとまった資金がある場合は、将来に向けて活用しながら生活費を取り崩していく方法も選択肢になります。
まとめ:遺族年金は非課税なので安心を
遺族年金は非課税で、相続税も所得税もかかりません。ほかに収入があっても、遺族年金の部分に関しては完全に非課税です。
また、遺族年金を受け取りながら、他の家族の税制上の扶養や健康保険の被扶養者になれる場合もあります。今回紹介した制度もあわせて活用しながら、税金や社会保険料の負担をできるだけ抑えていくとよいでしょう。
※本記事は編集部が作成した一般的な参考情報です。特定の商品・保険会社を推奨するものではなく、断定的な提案でもありません。実際の要否は、各代理店の窓口で保険募集人にご確認ください。統計・制度に関する数値は今後変更される可能性があるため、最新の情報をあわせてご確認ください。
ほけんスコア編集部
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