原則は8日間!生命保険のクーリングオフ期間と書面の書き方
生命保険のクーリングオフは原則、書面受領日と申込日の遅い方から8日以内です。対象外となるケースや手続き方法、できない場合の対処法までわかりやすく解説します。
生命保険に申し込んだものの、「申し込みを取り消したい、クーリングオフはできるのだろうか」と不安になっている方もいるかもしれません。ご安心ください、生命保険にもクーリングオフ制度が用意されています。
生命保険は人生のなかでも大きな買い物の一つといわれるため、申し込み後に「本当にこの保障で良かったのだろうか」と迷うこともあるでしょう。生命保険にも一般的な商品と同様にクーリングオフ制度が適用されますし、場合によっては、すぐに解約するという手続きをとることもできます。ただし、それぞれに適用できる期限や条件があるため、早めに行動しないと不要な保険料を払い続けることになりかねません。
この記事では、生命保険の申し込みを取り消すためのクーリングオフの手続きや、クーリングオフができない場合の対処方法までをわかりやすく解説します。
1. 生命保険のクーリングオフ制度とは
生命保険のクーリングオフを説明する前に、まずは一般的なクーリングオフの考え方を確認しておきましょう。
クーリングオフとは、契約した後、頭を冷やして(cooling off)冷静に考え直す時間を消費者に与え、一定期間内であれば無条件で契約を解除できる特別な制度です。一度契約が成立すると、その契約にお互いが拘束され契約を守るのが原則ですが、この原則に例外を設けたのがクーリングオフ制度になります(出典:国民生活センターウェブサイト「クーリング・オフって何?」)。
クーリングオフ制度は、強引な販売方法などから消費者を守るための制度で、関係する法令ごとに定められており、生命保険の場合は保険業法第309条(保険契約の申し込みの撤回等)に規定されています。
悪質な訪問販売(いわゆる押し売り)やキャッチセールスなどを想定した消費者保護の制度であるため、保険の場合は「自宅を訪問した生命保険の担当者からいろいろ話を聞くうちに加入を申し込んでしまったが、後から冷静に考え直したい」といった状況が想定されています。
そのため、生命保険加入者が自ら保険会社の窓口に出向いて申し込みを行った場合や、申し込みから一定期間が経過するなど「申し込みの意思が明確」と考えられる場合には、クーリングオフ制度が適用されません。
1-1. クーリングオフができる期間
生命保険のクーリングオフには、期間についての条件があります。クーリングオフができる期間は、原則として「クーリングオフについての書面を受け取った日」または「保険の申し込みをした日」のうち遅いほうの日から、その日を含めて8日以内とされています(保険業法第309条にもとづく原則。本記事作成時点の情報のため、実際の期間は保険会社・商品ごとの約款で必ずご確認ください)。
ただし、保険会社や商品によってはクーリングオフができる期間が異なる場合がありますので、契約時によく確認するようにしましょう。
クーリングオフの起算日と期間のイメージ ※「書面受領日」「申込日」のいずれか遅い方の日を含めて8日以内が原則です(保険業法第309条。実際の期間は商品の約款でご確認ください)
1-2. クーリングオフの対象とならないケース
生命保険にはクーリングオフ制度が適用されますが、以下のようなケースでは対象となりません。
- 申し込みをした日、またはクーリングオフに関する書面を受け取った日のいずれか遅いほうの日から8日を超えてしまった場合
- インターネット・郵送などの通信販売で申し込みを行った場合
- 保険会社の窓口や保険代理店(保険ショップ)などに出向いて申し込みをした場合
- 自分で指定した場所で申し込みを行った場合
- 保険期間が1年以内の保険の場合
- 保険会社が指定した医師の診査がすでに完了している場合
- 事業のための契約、法人名義で申し込んだ契約の場合
- 住宅ローンの団体信用生命保険など、担保のための保険の場合
なお、個別の保険商品の定款・約款では、「クーリングオフ期間が8日ではなく10日」「インターネット申し込みでもクーリングオフ可」など、制度上の条件よりも緩和されている場合もあります(本記事作成時点の情報のため、最新の制度をご確認ください)。申し込みの撤回を検討する場合は、加入した商品の約款やコールセンターで確認することをおすすめします。
2. 生命保険のクーリングオフのやり方
生命保険の申し込み後に「やはり取り消したい」と思ったときには、クーリングオフという手続きが用意されています。ただし、クーリングオフの手続きを踏まなくても、通常の申し入れだけでキャンセルできる場合はそのほうが早いため、まずは担当窓口に「申し込みのキャンセル」が可能かどうかを問い合わせてみるとよいでしょう。
2-1. 契約成立前はキャンセルできることがある
生命保険は申し込みをしても、一般的に契約成立までに一定のタイムラグがあります。これは、告知・診査を受けたり、第1回目の保険料を支払ったり、保険会社が申し込みを承諾したりするまでに時間がかかるためです。そのため、この契約成立前の期間であれば、申し込みをした側からキャンセルできることがあります。
保険会社や商品ごとに申し込み取り消しへの対応は異なりますが、キャンセルは早いほど対応してもらいやすい傾向があるため、キャンセルしたい場合はできるだけ早く担当窓口または保険会社へ申し入れることが大切です。
2-2. 契約成立後はクーリングオフ制度を使う
担当窓口への連絡で申し込みのキャンセルができれば問題ありませんが、告知・診査が完了しており初回保険料の支払いもすでに済んでいる場合などは、通常のキャンセルができないことがあります。その場合は、クーリングオフ制度を利用して申し込みの撤回を行います。
2-3. クーリングオフの手続きと書面の書き方
クーリングオフを行うときの通知は、書面で行う必要があります。送付は主に郵送となりますが、相手方に確実に届いたことを確認したい場合は、内容証明郵便を利用するとよいでしょう。書面には、契約者の氏名・住所、保険証券番号、申し込み年月日、クーリングオフによる契約解除の意思、保険会社名・商品名などを記載し、保険の申し込み時に使用した印鑑を押印するのが一般的です。
各保険商品の定款・約款にクーリングオフの手続き方法が記載されている場合もあるため、そちらもあわせて確認しながら手続きを進めましょう。
3. キャンセル・クーリングオフができない場合はどうすればよいか
申し込みからしばらく経っていてキャンセルができず、クーリングオフの適用期間も過ぎている場合、次善の策として以下のような対応方法があります。
3-1. 即解約すれば保険料の負担は最小限に抑えられる
生命保険は契約後、いつでも解約することが可能です。費用がゼロになるわけではありませんが、早めに解約することで保険料の負担は最小限に抑えられます。具体的には、初回の保険料のみを支払って解約するイメージです。もちろん保障もそこで終了しますが、それ以外のペナルティや追加の支払い義務は基本的にありません。
3-2. 生命保険の解約手続き
生命保険の解約手続きは、各保険会社のコールセンターで受け付けています。加入時の担当者や窓口に連絡してもかまいませんが、引き留められることも多いため、解約の意思が固まっているのであればコールセンターに直接連絡したほうがスムーズな場合もあります。連絡先は、商品の約款や保険会社のウェブサイトで確認できます。
3-3. 解約返戻金について
無解約返戻金型(いわゆる掛け捨て)の生命保険を除いては、解約時に解約返戻金が発生する場合があります。契約から短期間での解約の場合、月払いであれば解約返戻金はほとんどないことが一般的ですが、一時払いの場合は解約返戻率に応じた解約返戻金が発生することがあるため、この返戻率・金額を必ず確認したうえで解約するようにしましょう。低解約返戻金型の保険では、早期の解約は返戻率も低くなりやすいため注意が必要ですが、保障が本当に不要であれば早めに対応することも大切です。
4. 保障が妥当であれば、後日あらためて見直す・解約するという選択も
申し込みの撤回・解約を検討する理由はさまざまですが、一度は「保障が必要」と判断して申し込んだ生命保険であるため、代わりの保険商品や代替手段が決まってから見直す・解約するという考え方もあります。
例えば、「保障は大切だが、冷静に考えると金銭的な負担が大きすぎる」という場合であれば、いきなり解約して保障をゼロにしてしまうのではなく、保障額を抑えたプランや別の商品、積立型ではなく掛け捨て型の商品などを検討・加入したうえで解約するようにし、保障がない期間が生じないよう見直す方法もあります。
また、貯蓄型の生命保険を解約する際には、保険以外で保有している金融商品や預貯金なども含めて、どのような形で資産形成とリスクへの備えを両立するかを冷静に考えることが大切です。判断を先延ばしにするとその間も保険料が発生してしまいますが、保障が途切れることで大きなリスクを抱えてしまわないよう、全体のバランスを踏まえて納得できる選択をしていきましょう。
5. まとめ:生命保険はクーリングオフや解約ができるので安心を
生命保険への加入は人生における大きな判断であるため、後悔しない十分な検討が必要です。しかし、検討が不十分なまま申し込みを行い、後から不安になってしまった場合でも、慌てる必要はありません。加入直後であれば多くの場合クーリングオフができますし、クーリングオフができないときでも、すぐに解約する選択肢もあります。
不安をなくすための生命保険が、かえって不安を生んでしまっては本末転倒です。まずは、加入した保険代理店・保険会社の窓口に相談してみましょう。
※本記事は編集部が作成した一般的な参考情報です。特定の商品・保険会社を推奨するものではなく、断定的な提案でもありません。実際の要否は、各代理店の窓口で保険募集人にご確認ください。統計・制度に関する数値は今後変更される可能性があるため、最新の情報をあわせてご確認ください。
ほけんスコア編集部
Googleの公開データをもとに保険の窓口を客観的に比較・解説する、ほけんスコアの編集チームです。
あわせて読みたい記事
最新記事
ほけんスコアとは
保険ショップ・保険の窓口ブランドを比較できるサイトです。Googleの口コミ件数と評価のみを根拠に、客観的におすすめ順でランキングしています。運営者の主観を交えず、実際に来店した利用者の評判をもとに、信頼できる窓口を選べます。