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所得補償保険(就業不能保険)に入る前に知っておくべき活用法

公開日:2026-10-09更新日:2026-10-09
所得補償保険(就業不能保険)に入る前に知っておくべき活用法

所得補償保険(就業不能保険)は病気やケガで働けなくなったときの収入減に備える保険です。2つの補償タイプの違いと、職業や加入目的に応じた活用法をわかりやすく整理します。

所得補償保険や就業不能保険への加入を検討している方は、加入前にぜひ知っておいていただきたいことがあります。

所得補償保険(ここでは主にこの名称で説明します)は、働けなくなって収入が途絶えたときに備える保険ですが、加入する人の職業や加入目的、補償タイプによって有効な活用方法が違います。場合によっては、必要性がそれほど高くないケースもあります。

よく理解しないまま加入してしまうと、いざというときに役に立たなかったり、不要なのに無駄に加入していたりということになりかねません。ここでは、所得補償保険の失敗を防ぐために知っておきたい知識と活用例を紹介します。ぜひ参考にして、自分に合った所得補償保険への加入を検討してください。

所得補償保険(就業不能保険)はこんな保険

所得補償保険や就業不能保険は、病気やケガなどで全く働くことができなくなったときに保険金がもらえる保険です。全く働けない状態は保険用語で「就業不能」といい、就業不能によって給料などの収入が絶たれ、生活費が不足してしまうリスクに備えることができます。

なお、所得補償保険とは原則として損害保険会社が販売している保険で、就業不能保険とは生命保険会社が販売している保険です。保険会社の種類によって名前が違いますが、基本的には同じ性質の保険だと考えてよいでしょう。

名称販売元
所得補償保険損害保険会社
就業不能保険生命保険会社

ここからは、一律に「所得補償保険」として説明を続けます。

もらえる保険金は現在の収入の範囲内

所得補償保険の保険金は、月額いくら、または日額いくらという形で契約します。その際の保険金額は、被保険者の収入に応じて月収の範囲内で設定します。保険会社によって「月収の何%以内」といった取り決めがあり、加入している健康保険の種類にもよりますが、この数値はおおむね40〜80%程度です。

保険金を受け取れる期間(免責期間・てん補期間)

所得補償保険には免責期間があり、就業不能になっても、免責期間中は保険金がもらえません。この免責期間は7日間程度など比較的短期間であるものと、60〜365日間など長期間のものがあります。

保険金はこの免責期間が明けてから支払いが始まります。支払い期間(てん補期間)については、免責期間が明けてから1年間または2年間という商品が多いですが、なかには60歳まで、65歳までという長期のものもあります。この支払期間中は、所定の就業不能状態が続いている限り保険金を受け取ることができます。

保険期間

所得補償保険は、保険期間が決まっている定期タイプの保険です。保険期間が1年で毎年自動更新されるものが多いですが、保険期間を3年、5年などとしているもの(その後自動更新)や、なかには保険期間が65歳までという保険もあります。

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所得補償保険には2つのタイプがある

所得補償保険は、免責期間の長さや保険金の支払い期間の長さなどにより、比較的短期間(1〜2年)の就業不能状態に備える「短期補償タイプ」と、長期間の就業不能に備える「長期補償タイプ」に分けることができます。この違いを理解していないと、所得補償保険を正しく活用することができないので注意が必要です。

補償タイプ短期補償タイプ長期補償タイプ
免責期間7日程度60〜365日
保険金の対象期間1〜2年60歳まで、65歳まで
就業不能の要件入院、または入院以外の医師の治療を受けていて保険証券に記載した業務に全く(終日)従事できない入院、または医師の指示による自宅療養でいかなる業務にも全く従事できない
想定される活用法病気やケガで1〜2年の間、自分の仕事ができないときに備える寝たきりなどになって、どんな仕事もできないときに備える
短期補償タイプ免責期間7日程度てん補期間(保険金支払期間)1〜2年長期補償タイプ免責期間60〜365日てん補期間(保険金支払期間)60歳・65歳まで就業不能になった日時間の経過 →免責期間(支払われない期間)短期のてん補期間長期のてん補期間

所得補償保険 2つのタイプの補償期間イメージ ※バーの長さは比較のためのイメージで、実際の日数・年数の比率とは一致しません

短期補償タイプの特徴

短期補償タイプの所得補償保険は、保険金支払いの対象期間は1〜2年程度ですが、免責期間も7日程度と短めなので、就業不能になったら比較的早く保険金を受け取れるようになります。また就業不能の要件は、入院に加えて、病気やケガで医師の治療を受けていて、保険会社に申請している自分の仕事が全くできない状態となっています。

したがって、病気やケガの治療により、今従事している仕事が1日中できなくなり収入がなくなったときに備える保険といえるでしょう。

長期補償タイプの特徴

長期補償タイプの所得補償保険は、保険金支払いの対象期間が60歳まで、あるいは65歳までと長期間になりますが、免責期間も60〜365日と長くなっています。また就業不能の要件は、入院に加えて、治療のための「自宅療養」で、しかも「いかなる業務にも」全く従事できない状態です。つまり、仕事を休まなければならない、自宅から出られないといったケースしか補償されません。たとえば、営業職の人が脚に大ケガを負って営業の仕事ができなくなったとしても、デスクワークができる状態であれば補償の対象とならないことがあります。

したがって、病気やケガで一生寝たきりなどになって、どんな仕事もできなくなり収入がなくなったときに備える保険といえるでしょう。

うつ病など補償されないケース

うつ病などの精神疾患になってしまった場合、長期間仕事につくことができなくなることがあります。そのようなリスクに備えて所得補償保険を検討する方もいますが、所得補償保険は、うつ病などの精神障害で働けないケースを補償の対象外としている商品が一般的です。ただし、一部に精神障害補償特約を付加できる保険もあるため、気になる場合は保険会社に確認してみるとよいでしょう。

また、うつ病だけでなく、一般的に以下のようなケースは補償の対象外とされています。

  • うつ病などの精神障害による就業不能
  • 無免許運転や酒気帯び運転によって生じたケガや病気による就業不能
  • アルコール依存、薬物依存等の精神障害による就業不能
  • 妊娠や出産、早産や流産による就業不能
  • むちうち症や腰痛で医学的他覚所見のないものによる就業不能
  • 地震や噴火、またはこれらによる津波によって生じたケガや病気による就業不能

基本的に、故意や重大な過失、違法行為などが原因で病気やケガをした場合は補償されないと考えてよいでしょう。ただし、上記のような対象外のケースは保険会社や商品によって違いがあるため、加入前に十分確認する必要があります。

所得補償保険(就業不能保険)のメリット・デメリット

所得補償保険には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

<メリット>

  • 働けないときの収入を補える
  • 長期の療養に備えることができる(短期補償タイプでも1〜2年)

<デメリット>

  • 一定の免責期間がある
  • 就業不能の条件が厳しい(短期補償タイプは終日働けないとき、長期補償タイプはどんな仕事もできないときが条件で、該当する可能性は低い)

職業・目的別、所得補償保険(就業不能保険)の活用法

ここまで見てきた所得補償保険の特徴をふまえて、どのような活用法があるか例を考えてみましょう。

会社員・公務員なら、寝たきり状態に備える

会社員が働けなくなったときの収入の補償を考える場合は、公的な社会保険の保障もあわせて考える必要があります。

業務中の事故によるケガなどで会社を休んだ場合は、労災保険が適用され、休業給付(平均賃金の60%)を受けることができます。また、業務とは関係のない事故によるケガや病気で会社を休んだ場合は、健康保険の傷病手当金(平均標準報酬月額の3分の2)を最長で1年6ヵ月受けることができます。傷病手当金のしくみについては、傷病手当金の活用マニュアル|簡単にわかって申請できる!もあわせてご覧ください。

このように会社員の場合、社会保険により最低でも給料の6割以上が保障されるため、短期的な補償として所得補償保険に加入する必要性は低いといえるでしょう。

したがって、会社員にとって所得補償保険が役立つケースとしては、寝たきりなどで一生涯どんな仕事もできない状態になってしまったときのために、長期補償タイプの所得補償保険に加入するという考え方が挙げられます。ただし、そうなった場合でも会社員であれば障害基礎年金・障害厚生年金といった公的年金がありますので、大きすぎる保険金額にしなくてもよいでしょう。公務員も会社員と同様の考え方となります。

自営業者・個人事業主なら休業補償として

お店を個人経営している、あるいはフリーランスで仕事をしているなど、いわゆる自営業者や個人事業主の場合は、会社員や公務員のように社会保障が充実していません(労災の休業給付も傷病手当金もありません)。したがって、病気やケガで仕事を休むことになった場合、その間の収入が途絶えると生活に支障をきたす可能性があります。

そこで自営業者・個人事業主の方は、仕事を休まなければならない場合に備えて、短期補償タイプの所得補償保険に加入し、自分で休業補償を用意しておく必要性が高いといえます。所得補償保険は、自営業者や個人事業主ほど役立つ保険といえるでしょう。

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まとめ:所得補償保険(就業不能保険)は目的を明確にしたうえで加入を検討

所得補償保険には、短期補償タイプと長期補償タイプがあります。短期補償タイプは自営業者や個人事業主の休業補償のための保険として有益な選択肢といえます。一方、長期補償タイプは、寝たきりなどのようにどんな仕事もできない状態が長く続くときに備える保険です。

このような所得補償保険の特性をよく理解し、自分がどんなリスクに備えたいのかも整理したうえで、自分に合った保険を選ぶことが大切です。

※本記事は編集部が作成した一般的な参考情報です。特定の商品・保険会社を推奨するものではなく、断定的な提案でもありません。実際の要否は、各代理店の窓口で保険募集人にご確認ください。統計・制度に関する数値は今後変更される可能性があるため、最新の情報をあわせてご確認ください。

執筆

ほけんスコア編集部

Googleの公開データをもとに保険の窓口を客観的に比較・解説する、ほけんスコアの編集チームです。

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