すぐわかる!変額保険のメリット・デメリットと上手な活用法
変額保険は運用実績により保険金や解約返戻金が変動する保険です。変額終身保険・変額有期保険・変額個人年金保険の3種類のしくみとメリット・デメリット、活用法を整理します。
変額保険は、加入を勧められても「損することもあるらしい」と不安を感じる方が多い保険です。確かにリスクのある商品ですが、変額保険にも種類があり、加入する目的や使い方によっては必ずしもハイリスクとは限りません。特に変額終身保険は、死亡保障が目的ならむしろ割安な保険といえます。
また、一般的な生命保険はインフレに弱いとされますが、変額保険は運用実績次第でインフレへの対応も期待できます。つまり、どんな目的でどう使うかによって、リスクをコントロールしながら上手にメリットを活かすことができるのです。
ここでは、変額保険の基本的なしくみやメリット・デメリットをわかりやすく説明するとともに、用途にあわせてリスクを抑えた活用方法を紹介します。変額保険に加入するかどうかを迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
変額保険とは
変額保険は、生命保険会社の運用実績により、将来の保険金や解約返戻金の額が変動する保険です。
普通の保険と違って、投資信託のような運用をする保険
変額保険の積立金は、主に株式や債券に投資して積極的に運用されます。利益が出た場合は保険金や解約返戻金が増えて加入者に還元されますが、逆に損失が出た場合は保険金や解約返戻金が減って加入者が損をすることになります。
一方、普通の保険は、将来支払われる保険金や解約返戻金の額があらかじめ決まっているため、その積立金は株式の比率を落として、できるだけ安定的に運用されています。
このように変額保険と普通の保険では運用方法が違っていて、その資産も、変額保険は「特別勘定」、普通の保険は「一般勘定」といって明確に区別されています。変額保険の特別勘定は、いわゆる投資信託のようなものだとお考えください。
検討するときは「最低保証」を必ずチェックする
変額保険は、保険金や解約返戻金が運用実績により変動しますが、実は死亡保険金については最低金額が保証されている商品が一般的です。
もしこの最低保証がなければ、変額保険はハイリスク・ハイリターンな商品といえますが、死亡保険金には最低保証があるため、目的によっては元本割れリスクをそれほど気にせずに活用できる場合もあります。
したがって、変額保険への加入を検討する場合は、金額が変動する部分のうち、どこに最低保証がついているのかをしっかりチェックするようにしてください。
変額保険は大きく分けて3種類ある
変額保険には、主に以下の3つの種類があります。
- 変額終身保険(終身保険の変額タイプ)
- 変額有期保険(養老保険の変額タイプ)
- 変額個人年金保険(個人年金保険の変額タイプ)
それぞれの特徴について、次の章から詳しく見ていきましょう。
変額終身保険:死亡保障目的ならメリットが大きい
変額終身保険は、終身保険タイプの変額保険です。死亡保障が一生涯続き、保険金や解約返戻金の額は運用実績により変動します。
終身保険そのものについては、終身保険とは?|その特徴と確認すべき3つのポイントもあわせてご覧ください。
しくみ
保険期間中の運用実績により、保険金と解約返戻金が変動します。ただし、保険金は契約した金額が「基本保険金」として最低保証されます。たとえば500万円の保険に加入していれば、死亡したときにどれだけ運用成績が悪くても、500万円の保険金を受け取れます。
一方で、解約返戻金には最低保証がありません。普通の終身保険であれば、保険料払込終了後は保険料累計額よりも解約返戻金のほうが大きくなるのが一般的ですが、変額終身保険では、保険料払込終了後であっても運用成績によって元本割れしてしまう可能性があります。
変額終身保険:死亡保険金の最低保証と解約返戻金の変動イメージ ※実際の金額・運用成果は商品・運用実績により異なります
メリット・デメリット
<メリット>
- 契約した保険金は保証される
- 運用実績がよいと保険金が増える
- 運用実績がよいと解約返戻金が増える
- 普通の終身保険より保険料が割安
<デメリット>
- 運用実績が悪いと解約返戻金が減る(保険料払込終了後でも元本割れすることがある)
終身の死亡保障としての活用がおすすめ
変額終身保険は、運用実績によって解約返戻金が減少し元本割れするリスクはありますが、デメリットはそれくらいで、死亡保険としてみると、保険金額には最低保証があり、運用実績がよいときには保険金が増えるというメリットもあります。しかも、保険料は普通の終身保険より割安な傾向があります。
したがって、純粋に死亡保障を確保する目的での加入であれば、普通の終身保険よりも割安な選択肢としておすすめできます。想定される活用例としては、死後の整理資金を残すための加入や、相続の準備として遺族に保険金を残すための加入が挙げられます。
変額有期保険:運用リスクへの注意が必要
変額有期保険は、養老保険タイプの変額保険です。保険期間が一定で、保険期間中に死亡した場合は死亡保険金が、満期まで生存していた場合は満期保険金がもらえます。死亡保険金・満期保険金・解約返戻金の額は、いずれも運用実績により変動します。
養老保険そのものについては、養老保険とは?|特徴と加入時に確認すべき5つのポイントもあわせてご覧ください。
しくみ
保険期間中の運用実績により保険金と解約返戻金が変動します。ただし、保険金は契約した金額が基本保険金として最低保証されます。また満期時には、その時点の運用実績によって満期保険金が増減します。満期保険金は解約返戻金と同様に最低保証がありません。
保険金は基本保険金が最低保証されるため、たとえば500万円の保険に加入していれば、死亡したときにどれだけ運用成績が悪くても500万円の保険金を受け取れます。一方で満期保険金には最低保証がないため、元本割れのリスクがあります。
メリット・デメリット
<メリット>
- 契約した死亡保険金は保証される
- 運用実績がよいと保険金(死亡・満期ともに)が増える
- 運用実績がよいと解約返戻金が増える
<デメリット>
- 運用実績が悪いと満期保険金が減る(元本割れすることがある)
- 運用実績が悪いと解約返戻金が減る
長期的な運用商品として活用できるが、優先度は低い
変額有期保険は、もとになっている養老保険自体が生命保険とはいえ貯蓄(変額の場合は運用)が主目的の保険です。したがって、保険期間中の死亡保険金に最低保証があることはそれほど大きなメリットとはいえず、むしろ満期保険金の元本割れリスクに注意が必要です。
たとえば投資信託であれば、元本割れしている場合は相場がよくなるまで保有を続けるという選択もできますが、変額有期保険の場合は、満期が来たら元本割れの状態でも満期保険金を受け取り、損失を確定しなければなりません。
保険期間が長期であれば、保険料を分散して投資することでリスクが軽減される効果が期待でき、インフレ対策もかねて長期的に積極運用をしたい場合には活用の余地があります。ただし、その期間の死亡保障がどうしても必要なケースなどを除いて、積極的にはおすすめしにくい商品です。想定される活用例としては、老後資金などのために長期的に積極運用をしつつ、死亡保障もあわせて確保したい場合が挙げられます。
変額個人年金保険:退職金などまとまった資金の運用に
変額個人年金保険は、個人年金保険タイプの変額保険です。保険料を支払い、もしくは一時払保険料を支払って一定期間運用したのち、年金を受け取ります。受け取れる年金の額は運用実績により変動します。
しくみ
現在、変額個人年金保険として販売されている商品のほとんどは、一時払タイプです。契約時に一時払保険料としてまとまったお金を支払い、一定期間運用した後、その運用成果を年金原資として、一定期間または終身で年金を受け取ります。
運用期間中の運用実績によっては、年金原資が元本を割り込む場合もあります。年金受け取り開始後は、年金額が定額のものと、その後の運用実績により年金額が増減するものがあります。一時払変額個人年金は銀行の窓口などでも数多く販売されており、なかには年金原資あるいは年金額に最低保証があるものもあります。
メリット・デメリット
<メリット>
- 運用実績がよいと年金額が増える
- 運用実績がよいと解約返戻金が増える
<デメリット>
- 運用実績が悪いと年金額が減る(元本割れすることがある。ただし最低保証により元本が保証される商品もある)
- 運用実績が悪いと解約返戻金が減る
退職金の一部運用としての活用がおすすめ
一時払変額個人年金保険は、運用実績により将来の年金額が変動する保険で、一時払のため契約時にまとまったお金が必要です。そのため、想定される活用法はある程度決まっています。
代表的な例は、定年退職して大きな金額の退職金を受け取ったときに、生活費など当面必要なお金は普通預金や定期預金など換金しやすい金融商品に割り当て、10年、20年後に必要となる部分を積極的に運用する目的で変額個人年金保険を活用するケースです。
老後の生活資金に余裕がある場合はより積極的な運用ができる商品を、基本的な生活費として将来必ず必要となる資金の運用であれば年金額の保証がある商品を選ぶ、という考え方が参考になります。
まとめ:リスクを理解したうえで目的に合った活用を
変額保険といっても、変額終身保険・変額有期保険・変額個人年金保険という種類によって、使う目的もリスクの種類・大きさも違ったものになります。変額終身保険の死亡保障目的での加入や、年金額の保証がある個人年金保険であれば、それほどリスクを気にしなくてもよい一方、変額有期保険であればリスクについて十分な注意が必要です。
それぞれの保険の特徴とリスクをきちんと把握すれば、必要以上に変額保険を怖がることなく、自分に合った保険を選んで活用することができます。
※本記事は編集部が作成した一般的な参考情報です。特定の商品・保険会社を推奨するものではなく、断定的な提案でもありません。実際の要否は、各代理店の窓口で保険募集人にご確認ください。統計・制度に関する数値は今後変更される可能性があるため、最新の情報をあわせてご確認ください。
ほけんスコア編集部
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