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介護保険の住宅改修とは?制度の仕組みと申請のポイント

公開日:2026-10-02更新日:2026-10-02
介護保険の住宅改修とは?制度の仕組みと申請のポイント

介護保険の住宅改修費支給制度の対象者・支給額・対象工事・申請の流れをわかりやすく整理。上限20万円の考え方や申請書類も紹介します。

親の介護が必要になり、暮らしやすいように自宅のリフォームを検討する方は少なくありません。とはいえ、階段に手すりをつけたり段差をなくしたりと、バリアフリー化を実現するにはお金がかかります。

そうしたときに活用したいのが、介護保険による住宅改修費の助成制度です。この制度は、介護のための住宅改修でかかった費用の一部を負担してくれるというもの。ここでは介護保険の住宅改修の基本的な仕組みから、実際の申請方法まで、わかりやすく整理します。

介護保険の住宅改修とは

介護保険制度には「居宅介護(介護予防)住宅改修費」という項目があります。これは介護のために住宅改修する際にかかった費用を一部負担してくれる仕組みです。要介護認定を受けている被保険者が自宅の住宅改修を行う場合、その工事費用(20万円まで)の7〜9割が支給されます。

支給対象となる人

支給の対象となるのは、介護保険の要支援1〜2、もしくは要介護1〜5のいずれかの認定を受けており、なおかつ自宅(介護保険被保険者証に記載されている家)に住んでいる人です。

したがって、介護保険施設に入所している人や病院に入院中の人、一時的に住んでいる住宅などは支給の対象とはなりません。ただし、退所・退院の期日が明確であり、その後住むために自宅を改修する必要がある場合などであれば、支給を受けられることもあります。

支給額

介護保険の対象となる住宅改修をすると、費用の9割(一定の所得がある人は8割、とくに所得が高い人は7割)が支給されます。ただし、要支援・要介護区分にかかわらず「支給限度基準額」は20万円と定められています。つまり、改修にかかった費用のうち支給申請できるのは20万円までということです。

したがって、自己負担割合が1割の人は18万円まで、2割の人は16万円まで、3割の人は14万円まで支給を受け取れるという計算になります。なお、基準額の上限を超えた分については、全額自己負担となります。

支給限度基準額 20万円(一律)0円支給18万円自己負担2万円自己負担1割支給16万円自己負担4万円自己負担2割支給14万円自己負担6万円自己負担3割

自己負担割合別、住宅改修費の支給額(イメージ) ※支給限度基準額は要支援・要介護区分にかかわらず一律20万円です。本文の計算例にもとづきます

また、自治体によっては独自の住宅改修補助制度を設けているところもあります。そうした制度を活用すれば、20万円を超えた分に関しても補助が受けられる場合があります。

支払い方法

支払いは基本的に「償還払い」とされています。償還払いとは、対象となる工事費用を全額事業者へ支払い、改修工事完了後にかかった費用の9割(一定以上の所得者は8割または7割)を払い戻してもらうという方法です。

ただし事業者によっては「受領委任払い」を選択することもできます。受領委任払いとは、最初から費用の1割(一定以上の所得者は2割または3割)を支払う方法のことです。受領委任払いを希望する場合には、「受領委任払い取り扱い事業者」に登録をしている事業者に工事を依頼する必要があります。

介護保険の住宅改修費のメリット

住み慣れた家で暮らし続けたいと考える要介護・要支援認定者の方は少なくありません。とはいえ、身体の変化に伴って家の構造自体が生活に合わなくなってくることはしばしばあります。そうした家の構造を住みやすいように改修することは、事故の予防につながり、自立度の向上を促すため、介護の一環として重要な意味を持っています。また、介護を受ける側にとってだけでなく、介護する側にとっても負担の軽減になります。

介護保険を活用すれば、こうした住宅改修の費用について大きな補助を受けることができます。上で説明したように、最大18万円まで支給されるため、積極的に介護のためのリフォームを行うことができます。

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支給限度基準額の仕組み

支給限度基準額は20万円と決まっていますが、その範囲内で分割して利用することができます。また、新たに20万円が設定される例外もあるため、それらの仕組みを説明します。

支給限度基準額の分割利用

支給限度基準額の20万円を利用できる回数は原則一人につき一回と定められていますが、20万円の範囲内であれば複数回に分割することも可能です。たとえば1回の改修工事で5万円しか使わなければ、次に15万円分の他の改修工事を行うこともできます。

支給限度基準額の利用回数の例外

介護保険の住宅改修費の支給限度額は一律で20万円までと定められており、使い切ると終了します。ただし、支給限度額を使い切ってしまった場合でも、次のような条件に該当すれば再度20万円まで利用できることがあります。

  • 要介護状態区分が3段階以上上がった場合:初めて住宅改修費を利用した時点の要介護状態区分から、3段階以上重度になった場合には、一回限りで再度20万円まで受給することができます。たとえば、要介護1と認定されている人が住宅改修費を20万円まで利用した後に要介護4に変更されれば、支給可能額がリセットされ、再度20万円まで利用することができます
  • 転居した場合:転居以前に暮らしていた住宅ですでに介護保険の住宅改修費を使って改修工事を行っていたとしても、転居後の住宅について改めて20万円まで受給することが可能です。ただし、転居先の住宅を新築する場合は住宅改修とは認められないため、支給対象とはなりません

介護保険の住宅改修費が支給対象となる工事は

介護保険の住宅改修費の支給対象となる工事の種類は、あらかじめ次の6つに定められています。「福祉用具購入」や「福祉用具貸与」といった介護保険の別の支給対象となるものは、住宅改修費の対象外です。

工事の種類内容
手すりの取り付け廊下、玄関、階段、トイレなどに手すりを付ける工事。移動のしやすさの向上や転倒防止対策に役立つ(福祉用具貸与に該当する手すり等は対象外)
段差の解消リビング、廊下、トイレ、浴室などの段差や傾斜を解消する工事。敷居を低くする、スロープを設置する、浴室の床をかさ上げするなど
床材の変更滑りやすい床材を滑りにくい床材に変える工事。畳敷きから板製床材・ビニル床材への変更、車椅子が使いやすいフローリングへの変更など
扉の取り替え開き戸を引き戸や折戸、アコーディオンカーテンなどに変更する工事。ドアノブの変更や戸車の設置なども含まれる
洋式便器等への取り替え和式トイレを洋式トイレに取り替える工事。立ち座りの負担を軽減できる(福祉用具購入に該当する腰掛便座、暖房・洗浄機能の付加などは対象外)
付帯工事上記5つの工事に伴って必要となる改修費(手すりを固定するための壁の下地補強など)

住宅改修費の支給申請の方法

住宅改修費の支給申請の流れと必要な書類をみていきましょう。

支給申請から適用されるまでの流れ

介護保険の住宅改修費の支給は、一般的に以下のような流れで進められます。

  1. 住宅改修についてケアマネージャーなどに相談:まずは担当のケアマネージャーに現在の生活で支障をきたしている部分を伝え、介護保険の住宅改修費の利用を検討します
  2. 事業者による家の下見・改修プランの作成:改修することが決まったら、工事を担当する事業者に下見に来てもらい、希望を伝えます。その結果をもとに事業者が住宅改修プランを作成し、費用見積もりなどを吟味したうえで最終的に契約するか否かを決定します
  3. 申請書類の一部を提出(事前申請):工事の契約が決まったら、利用者は住宅改修の支給申請書類の一部を市区町村などの保険者に提出します。保険者は提出された書類などから、支給対象として適切かどうかを確認します
  4. 工事施工・完成:事前申請にしたがい工事を行います
  5. 住宅改修費の支給申請・決定:工事が終了したら、利用者は領収書など発生した費用のわかる書類を保険者に提出します。この時点で正式な支給申請が行われ、保険者による確認を経て、支給が必要と認められてはじめて改修費が支給されます

必要な書類は

住宅改修の支給申請にあたって必要となる書類は、工事の事前に提出するものと事後に提出するものの二種類があります。申請書類で不明な点は、自分の住む市区町村の介護保険窓口に相談するようにしましょう。

事前申請に必要な書類

  • 住宅改修費支給申請書
  • 住宅改修が必要な理由書
  • 工事費見積もり書
  • 住宅改修後の完成予定の状態がわかるもの

事後申請に必要な書類

  • 住宅改修に要した費用に関わる領収書
  • 工事費用内訳
  • 住宅改修の完成後の状態を確認できる書類
  • 住宅の所有者の承諾書(住宅改修を行った住宅の所有者が当該利用者でない場合)

まとめ:今後のためにも介護保険の住宅改修制度を知っておこう

介護保険の住宅改修費は、介護のために住宅をリフォームする人にとって心強い制度です。今後、高齢化が進むにしたがって、利用する人もますます増えていくと考えられます。

しかし、こういった制度があることを知らずにリフォーム業者に任せてしまうと、業者も制度のことを把握しておらず、申請をせずに工事をしてしまい、全額を自己負担することになってしまう、というケースも起こりえます。今すぐには利用しなくとも、こういった制度があることと概要は覚えておきたいものです。そして、いざというときには、しっかりと介護保険の制度を活用するようにしましょう。

※本記事は編集部が作成した一般的な参考情報です。特定の商品・保険会社を推奨するものではなく、断定的な提案でもありません。実際の要否は、各代理店の窓口で保険募集人にご確認ください。統計・制度に関する数値は今後変更される可能性があるため、最新の情報をあわせてご確認ください。

執筆

ほけんスコア編集部

Googleの公開データをもとに保険の窓口を客観的に比較・解説する、ほけんスコアの編集チームです。

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