医療保険とがん保険の違い!選ぶ時に知っておくべきポイント
医療保険とがん保険はどう違うのか、両方必要なのかで迷う方に向けて、それぞれの特徴・メリット・デメリットと、選ぶときに気をつけたいポイントを整理します。
保険の代表格ともいえる「医療保険」と「がん保険」。どちらも病気やケガに備える保険ですが、違いがよくわからない、どちらを選べばいいのか、それとも両方必要なのか判断がつかない、と迷う方は少なくありません。
ここでは、医療保険とがん保険の違いや、それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、自分に合った保険を考えるための情報を整理します。保険を検討するときの参考にしてください。
医療保険とがん保険の違い
医療保険とがん保険の違いを知るには、それぞれの保険の特徴をおさえておくことが必要です。まずはそこからおさらいしていきましょう。
医療保険とは
医療保険は、所定の条件に合致する場合に、病気やけがによる入院や手術にかかるお金を保障してくれるものです。医療保険の保障の柱となるのは、入院時にもらえる「入院給付金」と手術時にもらえる「手術給付金」の2つです。
入院給付金には、入院1日で支払われる額(入院給付金日額)を入院日数分もらえる「日額タイプ」と、まとまった金額を一括で受け取れる「一時金タイプ」があります。また、手術時にもらえる手術給付金は、入院給付金日額に倍率(5倍・10倍・20倍など条件による)を掛けた額をもらえるタイプと、1回の手術で10万円というように決まった額をもらえるタイプがあります。
これ以外にも通院時の保障や、三大疾病(がん・心疾患・脳疾患)に備える保障、先進医療の保障などが含まれている保険を選んだり、特約として付加したりすることで、気になる保障をより手厚くカバーすることもできます。
がん保険とは
がん保険は、医療保険のうちの1つで、がんに特化した保険です。がんと診断されたら診断給付金が受け取れたり、抗がん剤治療などがん特有の治療を行うと給付金が受け取れたりするほか、入院給付金が日数無制限で受け取れるといった点が大きな特徴です。
がんへの備えのニーズが高まっている背景には、がんが日本人にとって非常に身近な病気であることがあります。国立がん研究センターの最新がん統計(2023年データ)によると、生涯でがんと診断される確率は男性61.1%、女性50.1%とされており、男女とも2人に1人程度が生涯のうちにがんと診断される計算になります(出典:国立がん研究センター がん情報サービス「最新がん統計」)。がんになる確率の高さから、できるだけ備えておこうと考える人が多いのです。
医療保険とがん保険の違いとは
医療保険は、病気やけがに対する入院や手術を保障する保険です。この「病気」の中には、がんも含まれます。ただし、保障範囲が広い代わりに、特定の病気に対する保障はやや薄めになる面もあります。そのため、決まった病気やけがだけでなく、いろいろな病気やけがのリスクに幅広く備えるために医療保険を選ぶというケースが多く見られます。
一方でがん保険は、さまざまな病気を広く保障する医療保険と違い、がんだけが対象となるので、数ある病気の中でも特にがんのリスクに重点的に備えたい人に向いています。また、医療保険は契約が完了すると保障がすぐスタートしますが、がん保険の場合は多くの商品で90日や3カ月程度の待期期間(免責期間)が設けられている点もポイントです。これは、がん罹患の疑いを持ちながら先にがん保険に加入し、その後がんと診断されて診断給付金を受け取るといった不公平を避けるための仕組みです。
医療保険とがん保険の保障範囲イメージ ※実際の保障範囲は商品・特約の有無により異なります
医療保険とがん保険、それぞれのメリット・デメリット
続いて、医療保険とがん保険の関係性を掘り下げるために、双方のメリット・デメリットを見ていきましょう。
医療保険のメリット・デメリット
前述のとおり、医療保険は1つの病気やけがに限定せず、さまざまなトラブルに対応できる保険です。「とりあえずこれに加入しておけば幅広く安心」という、オールラウンド型であるところが大きなメリットといえます。
一方でデメリットとしては、「がんにしっかり備えたい」といった特定のトラブルに重点を置きたい場合には、医療保険だけでは物足りないことがある点です。そうした場合は、特約を付加して保障を強化したり、医療保険とは別にその部分を補う保険に加入したりする方法もありますが、いずれにせよ保険料が割高になり、家計への負担が重くなりがちな点はデメリットといえるでしょう。
がん保険のメリット・デメリット
がん保険は、がんに特化した保険ですから、がんにかかれば診断や治療などでさまざまな給付金を受け取ることができるなど、手厚く備えられるのが最大のメリットです。
その反面、がん以外の病気やケガには対応できないという点がデメリットといえます。ただし、がんの罹患率の高さから、保障を得られる可能性はそれ以外の病気に比べて高いとも考えられます。
医療保険とがん保険、選ぶときに気をつけたいポイント
2つの保険の違いやメリット・デメリットを踏まえて、どんな人がどちらの保険を検討すべきか、公的保障を踏まえながら整理していきます。
保険加入の検討は「公的保障」を理解してから
医療保険またはがん保険、どちらに加入するにせよ、まず私たちが受けられる公的保障を理解しておくことが必要です。日本では勤務先で加入する健康保険(社会保険)や、自営業者などが加入する国民健康保険などの公的医療保険への加入が義務付けられており、これらの保険によって病気やけがでかかる費用はある程度カバーされます。
なかでも知っておきたいのが「高額療養費制度」です。公的医療保険の範囲内で行った入院や手術で高額な医療費がかかった場合、一定額を超えた分は払い戻されます。2026年8月の制度改正により、年収の目安が約370万〜770万円の一般的な会社員の場合、月ごとの自己負担限度額はおおむね「85,800円+(総医療費−286,000円)×1%」に引き上げられました(2026年9月時点の制度に基づく。出典:全国健康保険協会「令和8年8月から高額療養費制度が見直されます」)。上限額は年齢や収入によって異なり、また2027年8月にも所得区分の見直しが予定されているため、最新の金額は加入している健康保険組合等でご確認ください。
もう1つ知っておきたいのが「傷病手当金」の制度です。病気やけがにより仕事を一定期間休むことになった場合に受け取ることができますが、対象となるのは会社員や公務員のみで、自営業の場合(国民健康保険の被保険者)は対象外となる点に注意が必要です。
このように、私たちがもともと加入している公的医療保険でも、ある程度の保障を得ることができます。民間の保険への加入を検討する際には、「公的保障でカバーできない部分を補う」ことを意識するとよいでしょう。過剰な保険に加入して家計の負担が大きくなりすぎないよう気をつけたいところです。
医療保険に加入したほうがいいのはどんな人?
民間の医療保険は「必ず加入しなければならないもの」ではありません。年齢や収入、環境によって必要性は人それぞれなので、公的保障の内容を踏まえたうえで、自分自身で加入の判断をすることが大切です。
高額療養費制度が適用されるのは、公的医療保険の範囲内でかかった費用のみです。たとえば入院時に大部屋ではなく個室を希望する場合の「差額ベッド代」や、入院中の食事・身の回り品の購入費用などは実費となります。短期間の入院であれば大きな負担にはなりにくいものの、長期化すると貯金を切り崩すことになるケースもあります。
こうした費用を手持ちの貯金で十分カバーできるなら、医療保険への加入を急ぐ必要は必ずしもありません。一方で、貯蓄に余裕がなかったり、傷病手当金の対象外である自営業者などは、必要に応じて医療保険で備えておくという考え方もあります。結婚や出産といったライフイベントのタイミングごとに、自分に必要な保障を見直すことも大切です。
がん保険に加入したほうがいいのはどんな人?
がん保険の場合も基本的な考え方は医療保険と同じで、公的保障を踏まえて、足りない部分を自分の貯金などで賄えるかどうかを考えます。
がんと診断された上に金銭的な心配も重なると、精神的な負担は大きくなります。がん保険には、がんと診断されると「がん診断給付金」がまとまった一時金として受け取れるタイプが多く、現在の主流となっています。そのほか、手術をせずに抗がん剤治療を行うケースも多いことから、通院治療を中心に保障するタイプや、女性特有の子宮がん・乳がんに備えられるタイプもあり、どれを選ぶかは自分が必要とする保障によって変わってきます。
保障を手厚くするほど保険料は上がるため、ポイントを絞って保険料を抑えたがん保険を選ぶことで、家計への負担を抑えつつがんへの不安に対応することもできます。再発リスクの高さや通院の長期化もがんの特徴であるため、金銭的な面についてはシビアに考えて検討する必要があるでしょう。
どんな加入方法がある?
医療保険・がん保険への加入を検討する際には、主に次の組み合わせが考えられます。
| 加入パターン | 内容 |
|---|---|
| (1) 医療保険にだけ加入する | がんを含めた幅広い病気に対応したい場合の選択肢 |
| (2) がん保険だけに加入する | とにかく「がん」に手厚く備えたい場合の選択肢 |
| (3) 両方に加入する | 医療保険にも入りつつ、がんにも手厚く備えたい場合の選択肢 |
| (4) 医療保険にがん保障を付帯する | 特約でがん保障を上乗せする選択肢 |
ただし、(3)の「両方加入する」場合は、それぞれの保障の範囲をきちんと確認することが大切です。入院・手術給付金の保障付きの医療保険とがん保険の両方に加入していると、実際に入院・手術を受けた際にはどちらからも給付を受けられますが、毎月両方の保険料を支払うことになるため、保障が重複しすぎると家計の負担が大きくなりかねません。保障が重複しないように注意し、不要な保障を外しやすい、柔軟な商品を選ぶこともコツの一つです。
医療保険でがんの治療費はどこまでカバーできる?
医療保険とがん保険の組み合わせを考える際には、医療保険でどの程度がんの治療費をカバーできるかを理解しておくことも大切です。
がんで手術・入院をした場合、高額療養費制度である程度カバーできる上に、医療保険に加入していれば手術・入院給付金を受け取れます。がんの種類やステージにもよりますが、入院日数は短期化する傾向にあり、差額ベッド代や食費などを考慮しても、多くの場合は医療保険の範囲内でまかなえることが多いとされています。
しかし、がんになると退院後もすぐに以前と同じように働けるとは限らず、通院治療や定期的な検査が必要となる期間が続くこともあります。こうした費用については、医療保険だけでまかなうことが難しい場合があります。会社員であれば働けない場合に傷病手当金を受け取れますが、支給期間は最長1年6カ月までで、それ以降は保障がありません。
医療保険だけではカバーしきれない部分があることを理解した上で、その部分をがん保険で備えるのか、貯蓄でまかなうのかを検討する必要があるでしょう。
まとめ
医療保険とがん保険は、どちらも病気やけがに備える保険ですが、幅広い病気やけがに対応できる医療保険と、日本人にとって身近ながんに手厚く備えられるがん保険という違いがあります。加入を検討する際には、まず公的保障の内容を理解した上で、自分は何にどう備えたいのか、月々どのくらいの保険料であれば無理なく続けられるのかを整理してから、自分に合った保険を探すことが大切です。
※本記事は編集部が作成した一般的な参考情報です。特定の商品・保険会社を推奨するものではなく、断定的な提案でもありません。実際の要否は、各代理店の窓口で保険募集人にご確認ください。統計・制度に関する数値は今後変更される可能性があるため、最新の情報をあわせてご確認ください。
ほけんスコア編集部
Googleの公開データをもとに保険の窓口を客観的に比較・解説する、ほけんスコアの編集チームです。
あわせて読みたい記事
最新記事
ほけんスコアとは
Googleの口コミ件数と評価のみを根拠に、保険ショップ・保険の窓口ブランドを客観的にランキング化した比較サイトです。運営者の主観を排し、実際に来店した利用者の評判を見て信頼できる窓口を選べます。