自動車保険の等級の基本と保険料を安くするための上手な活用法
自動車保険のノンフリート等級制度の仕組みと、事故時の等級ダウン、保険会社・車両変更時の引き継ぎ、家族間引き継ぎやセカンドカー割引など保険料を抑える活用法を解説します。
自動車保険にはじめて加入するときや、保険会社を切り替えるときに必ず関わってくるのが「ノンフリート等級制度」(以下、等級制度)です。等級は保険料の高い・安いに直結する仕組みですが、「等級はどう決まるのか」「事故を起こすとどうなるのか」「等級は引き継げるのか」など、わかりにくい点も多くあります。
ここでは、等級制度の基本的な仕組みから、事故によるアップダウン、等級の引き継ぎ、保険料を抑えるための活用法まで、自動車保険を検討するうえで知っておきたいポイントを整理します。
1. 自動車保険の等級制度とは
等級制度の概要
等級制度とは、事故歴に応じて保険料の割引・割増を行う制度です。等級は1等級から20等級まであり、等級が高いほど割引率が大きく、低いほど割引率が小さく(または割増に)なります。はじめて契約する場合は、基本的に6等級からのスタートです。
等級はどう上がる?
自動車保険の保険期間は一般的に1年間です。その1年間に保険を使う事故がなければ、次年度に等級が1つ上がり、保険料の割引率も上がります。事故を起こさない期間が長いほど、優良ドライバーとして保険料が安くなっていく仕組みです。
等級による割増引率の目安
等級に応じた保険料の割増引率は保険会社によって異なりますが、目安としては次のようになっています(2025年時点の一例)。7等級以上では、前年度に保険を使った事故があったかどうかで「無事故係数」と「事故有係数」のどちらが適用されるかが分かれ、同じ等級でも保険料が変わります。
| 等級 | 無事故係数(目安) | 事故有係数(目安) |
|---|---|---|
| 1等級 | 108%割増 | - |
| 6等級(新規契約時の標準) | 13%割引 | - |
| 7等級 | 27%割引 | 14%割引 |
| 10等級 | 46%割引 | 19%割引 |
| 15等級 | 53%割引 | 28%割引 |
| 20等級 | 63%割引 | 51%割引 |
出典:SBI損保「自動車保険の等級とは」、出典:チューリッヒ「自動車保険の等級の割引率表」
具体的な割増引率は保険会社や契約時期によって差があり、改定されることもあります。正確な数値は契約予定の保険会社の見積もりで確認してください。
等級による割増引率の目安(イメージ、2025年時点の一例) ※実際の割増引率は保険会社・契約時期により異なります
2. 事故を起こした場合、等級はどうなる?
事故で保険を使うと、基本的には次年度の等級がダウンします。自動車保険では事故が3つの種類に分類され、それに応じてダウンする等級数が決まります。
(1) 3等級ダウン事故 他人を死傷させた場合や、他人の車・モノを壊した場合など。
(2) 1等級ダウン事故 損害が自分の車だけで、相手の損害がないような事故。災害や火災・爆発、盗難、いたずら等による車両の損害が該当します。
(3) ノーカウント事故 保険を使っても等級に影響が出ない事故です。自分や家族がケガをして、人身傷害保険や搭乗者傷害保険のみが支払われた場合などが該当します。なお、ノーカウント事故のみで他に等級が下がる事故がなければ、次年度は1等級アップします。
事故の種類による等級への影響の違い(イメージ)
「事故あり」の期間はどれくらい続く?
「事故あり」の割増引率が適用される期間を「事故あり係数適用期間」と呼びます。この期間は、3等級ダウン事故では次年度から3年間、1等級ダウン事故では次年度から1年間継続します。1年間に等級ダウン事故を2回以上起こした場合は、ダウンする等級数と「事故あり係数適用期間」の年数が合計されます(上限は6年間)。
3. 保険を切り替える場合や自動車を乗り換える場合、等級はどうなる?
保険会社を変える場合
違う保険会社間でも、基本的に等級を引き継ぐことができます。ただし、前の契約の満期や解約日から次の契約日まで8日以上経ってしまうと、等級は6等級にリセットされる点に注意が必要です(現在の等級が6等級以下の場合は、13カ月以内であれば引き継がれます)。保険会社と共済の間で契約を変更する場合は、等級を引き継げないことがあるため、事前の確認をおすすめします。
自動車を入れ替える場合
自動車を買い替えたり譲り受けたりする場合も、条件が合えば「車両入替」として等級をそのまま引き継ぐことができます。主な条件は、(1)入れ替える車両の所有者が乗換前と同一または家族などであること、(2)新たに購入・譲渡・リース契約した車両であること、(3)用途車種が決められた区分に収まっていること、の3点です。
4. 等級を上手に活用するには
家族間での等級の引き継ぎ
等級は家族間でも引き継ぐことができます。たとえば親の20等級を子供が引き継ぎ、親が新規で契約し直すといった使い方です。事故率の高さから若い人の新規契約は保険料が高くなりがちですが、この仕組みを活用すれば家計全体での節約につながります。ただし、等級の引き継ぎは同居が条件になっているため、別居の子供には引き継げません。
セカンドカー割引
すでに自動車を1台所有していて、新たに2台目以降を新規契約する場合、通常の6等級ではなく7等級からスタートできる「セカンドカー割引(複数所有新規割引)」という仕組みもあります。主な条件は、1台目の等級が11等級以上であること、過去13カ月に前契約がないことなどです。
中断制度
引っ越しや海外赴任などで自動車に乗らなくなる場合、等級を最大10年間保存できる「中断制度」があります。中断しておけば、再度契約するときに中断前の等級を引き継ぐことができ、本人だけでなく家族が引き継ぐことも可能です。中断証明書の発行には、中断する契約の次の等級が7等級以上であることなどの条件があります。
保険を使わないという判断
自動車保険は高額な賠償が発生する事故で大いに役立ちますが、軽度な事故では保険を使うかどうかを慎重に判断する必要があります。事故で保険を使うと等級が下がり「事故あり係数」も適用されるため、無事故に比べて保険料がかなり高くなるからです。軽微な修理費用であれば、保険を使わず自己負担したほうが結果的に得になる場合もあります。
まとめ
自動車保険の等級制度は複雑に見えますが、ポイントは次の3つです。
- 等級は事故の有無によってアップダウンし、保険料の割増引率を左右する区分である
- 「事故あり」か「無事故」かによって、同じ等級でも割増引率が異なる
- 等級は保険会社や自動車の変更に際しても、条件を満たせば引き継ぐことができる
積み上げた等級をいかに無駄なく活用するかが、保険料の節約につながります。家族間での引き継ぎやセカンドカー割引、中断制度などの仕組みを理解したうえで、賢く自動車保険を活用しましょう。
※本記事は編集部が作成した一般的な参考情報です。特定の商品・保険会社を推奨するものではなく、断定的な提案でもありません。実際の要否は、各代理店の窓口で保険募集人にご確認ください。統計・制度に関する数値は今後変更される可能性があるため、最新の情報をあわせてご確認ください。
ほけんスコア編集部
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